木造けんちくを見る



埼玉県某所。土曜の夕方に、工事中ほやほやの木造建築を見学できるということで、みんなでけしかけた。
道の奥にちらっと見えたのが、近づいていくと建物自体はそこまで大きくないのに、圧倒的なスケールと存在感。
これのほとんどが壁などで見えなくなってしまうとは非常に残念だ。(中には天井をつけないところもつくるらしいので、完成したら結構広々とした感じになるのだろうか。)
構造は基本的に貫構造で、非常に粘りのある構造なんだとか。そして、筋かいや金具をほとんど使わずに伝統的な工法で建てることの意味を棟梁に教わる。
和小屋などでみられるような梁をここでも使っていて、見るからに重そうなマツ材は、一本で800kgもある。(乾燥させる前なら1tをかるく超えるらしい)
集成材などはわりと均質な素材として加工されていて使いやすいが、こうした自然そのものとしての木材を使いこなすには相当な経験と見識がなければ無理だろう。
木造は構造についてもまだ未解明な部分が多いという。それを職人の経験と技で補っているというのがまたすごい。


正しいものをつくり、そして使う人が幸せな気持ちを持てるようにするためには、こうした仕事の価値をどのようにして位置づけていくのか、ということが課題だと思う。
特に、経済効果が第一とされるままであれば、安くて早くて簡単なものがもてはやされるに決まっている。
いまさら、職人っていう道もあったんだなぁ、としみじみ。
いや、実際進んでたらめちゃくちゃキツいんだろうと思うけれど。


いやぁ、いいもの見せていただきました。進んだら、また見に行きたい。