夏の記憶その2 ―京都編―

海士町の帰りに一日プラスして、何度も通った京都を訪れた。
目的は、何度も挑戦しては失敗に終わっている、桂離宮の見学。当日朝、京都御所内にある事務所をたずねたものの、あっさり追い返される。むう、やはり手強い。二日がかり(前日じゃないと受け付けてくれない)と考えた方がいいことに気づいたのが遅かった。
とはいったものの、今年の夏は本当に暑くて死ぬかと思うくらいだったが、しかしながら心の傷を癒してくれるという意味でも、思わずとろけてしまうランドスケープたちとの再会も果たせたことが嬉しかった。




円通寺





陶板名画の庭 / 安藤忠雄



南禅寺水路閣





無鄰菴 / 山県有朋(作庭:小川治兵衛)




とらや京都一条店 / 内藤廣


桂離宮を見学できないと決まった時点で、一日ゆっくりまったりしようということに決定。
まずは京都洛北の円通寺へ。高速バスでの移動続きだったことと、庭園を眺める時間が極上すぎて、ちょっと眠ってしまったくらい。
ここは本当に気持ちがいいところ。周りは色々議論の対象になっているけれども。
それから安藤忠雄建築を見て、午後に南禅寺水路閣でスケッチ。
夕方に無鄰菴を訪れると、先客のおじさんに話しかけられ、話が弾む。実は、建築を生業としているらしい。
話の内容的に、聞くことのほぼないであろうことを話してくれた。庭園のことにはじまり、大谷幸夫先生のこと、おじさんのお父さんがロシアまで戦争へ行っていたことなど。
実は帰りにとらやでお茶をしようと思っていたところ、おじさんも一緒に来ることに。
全共闘という激動の時代を目にし、そのなかで生きてきた人の話は、想像を逞しくするしか理解するのは難しかったが、何か強いものが伝わってきた。
とても不思議な体験をしたとともに、若い世代である自分らが、いったいどのようにしてこれからの日本を背負っていくのか、インスピレーションがかき立てられる一日だった。
ゆっくりのんびりするつもりだったのに。(半分は達成されているけれど、笑)