とりあえずつくってみよう。

2010年8月
いったい軽井沢で何やってるんだとか言われそうなことをやってきました。
通ってる夜間の合宿で、みんながそれぞれの興味のもとグループに分かれてゼミをする。例えば自転車で建築巡りもいいし、古くからある宿場町まで出かけてスケッチしたり。
自分の班は、「みんなでつくる」というテーマで、やる気のないと言ったらいいのか行き当たりばったり、とりあえず材料だけ用意して、心の赴くままに作品をつくろうというもの。
用意したのはスズランテープ500m×3本のみ。これで空間をつくるのだ。



場所は森の中。
ちょこっと気になったり、ピンときた場所を自由に選ぶ。



折れ曲がった木を見つけ、これを軸にして周辺の木をピックアップ。
それらとの関係性の中から、シェルターのような、屋根のようなものをつくることに。



だんだん空に線が伸びてくる。
領域が増えれば増えるほど囲まれた感覚が増すため、よりシェルターっぽくも屋根っぽくもなってくる。



 
折れ曲がった木を中心にして、周辺の木を支点に線をつないでいく。
スズランテープを放り投げてはぐるぐると巻く作業を延々と続ける。テープはどこに飛ぶかもわからないし、どこに引っかかるかもわからない。
だけど、そんな偶然からかたちを少しずつ具現化していく作業過程はすごく面白い。



完成したのはこんな感じ。
出来ははっきりいっていいとは言えないけれど、短時間でやったにしては色々なことがみえてきた。
例えば、建築は結局のところ領域をつくることによって場所をつくっているということなのかもしれないということ。
外と内という領域性ができれば、そこに場が生まれる。そのレベルは違えど、そこには確実に場がふっと浮かび上がってくる。そんな体験を一瞬のうちにできたことが嬉しかった。
それに加えて、みんなで手を動かしてつくるということの意味。
ひとりだけのアイデアや作業量では到底成し得ないことを、みんなでやることで可能にすることと、双発的な広がりを期待できるということがある、と思った。


図面や模型だけではない、リアルな空間に対するアプローチと感性を養うことの重要性を感じたことと、様々な人が学んでいるこの場だからこそ、たくさんの刺激がもらえていることに気づき、初めて感謝した。
静と動、うまく使い分けてこの夏も乗り切ろう。