川の表情はこんなにも違う(和泉川)


時は、7月上旬。
夏だけど梅雨の明けないもやっとした天気のなか、設計者のYさんに同伴していただいて、横浜の泉区瀬谷区を流れる境川支流の和泉川を歩いてきた。
まずは相鉄線ゆめが丘駅で降りて、和泉川親水広場から地蔵原の水辺(いずみ中央駅前)までを歩き、そこでお昼をとってから三ツ境駅に移動、宮沢遊水池と関ヶ原の水辺・東山の水辺などなどを巡るという、丸一日たっぷり時間をとった最高の見学会となった。


和泉川は、下流部の和泉川親水広場や地蔵原の水辺あたりについては護岸等の整備がすでに行われていて、そうした制約条件のなかでできることをやった、というのがここらへんの話で、のちに河川環境管理基本計画案が検討されて、ようやく周辺環境とのつながりを含む事業連携の可能性が出てきたのだそうだ。
というわけで、下流部については、護岸等を隠す植裁や並木の配置など後々の処理を行うこと、上流部ではより多くの点で改修がなされたという点で、性質が大きく異なる。
ちなみに、デザイン賞をとった関ヶ原の水辺・東山の水辺は上流部。


実際に歩いてみると、結構いいところは随所に残っているし、遊びに来たり川沿いを歩いている人に聞くと、こんな川が近くにあってよかったという話が出てきたことが面白かった。


 
 
 


しかしながら、やっぱり残されている課題もたくさんあって、上流と下流という分け方だけでなく、各ポイントごとに見ていくと、全然表情も異なるし、手の入れ方も違っているのがすごくよくわかる。
今後の河川整備のあり方を考えるにあたって、例えば計画者の意図がどのようにしてその後の管理に反映されていくかや、河川整備を取り巻く各方面とのコンセンサス、あるいはネットワークがどのように取れていけばいいのか、といった細かいところまで含めて、和泉川は非常に多くの示唆を持ちつつ重要な位置を占める川だと思った。


今年どういう流れかはよくわからないが、自分の研究テーマが川まで行き着いてしまった身として、とても多くのことを教えてもらった貴重な機会だった。
暇を見つけては、またじっくりと歩いてみたい。