矢作川 ー 古鼡水辺公園

恵那や名古屋、豊田などなどの中部地方周辺が今年一年で最も訪れた地域かもしれない。
今回も恵那でWSの報告会をした後、一年間の締め括りに相応しいランドスケープとの出会いがあった。


単線の三河線に揺られて、平戸橋で降りる。
駅とまちが近い。というか、改札機も少ないし駅員もおらずこぢんまりしていて、親しみあふれる感じがあった。
駅から真っ直ぐ歩いていくと、空が開けているので、すぐに川の場所がわかるのがまた面白かった。
橋のたもとにたどり着くと、一面にばぁーっと視界が広がり、緑と青が混ざったような深い色の矢作川が顔を見せてくれる。以前豊田市のほうで眺めた矢作川とはまったく雰囲気が違う。思ったよりも流れが速い。
そのまま橋を渡って、家が両側に建ち並ぶ道をゆるゆると降りていくと、古鼡水辺公園の入り口にたどり着く。



古鼡水辺公園は、2007年度土木デザイン賞を受賞している公園だ。
イメージとしては、もっと鬱蒼とした林のなかを掻き分けていくと現れる隠れ場みたいな場所なのかと思っていたが、アプローチを入ってくと眼前に雄大矢作川の流れが目に飛び込んでくる。



川は流れが速く、普通にしていれば入ることができない。しかしながら、石積みの水制工のおかげで流れが弱まり、そこに水の滞留が生まれ、容易に入ることができるようになっていた。
もう3月だというのに川の近くは結構寒く、水に足を沈めてみたが冷たすぎてすぐに出てしまった。というか、こりゃあ入っちゃいけない・・。



もちろん木々は生えているが、ある程度間伐されていて、太陽の光が丁度よく入り込んでいた。



ぱっと見は普通の川辺で、どこに手が入っているかといえば、石積みの部分にしか眼がいかないと思う。けれども、もっと色々な部分が、ちゃんと考えて作り込まれているんじゃないかと思えるような、ていねいな使われ方がされているのかな、という雰囲気も感じられた。
最近本当に寒いので、この時期に佇むのは厳しいが、ぜひとも夏に再び訪れたい。


今度は河畔林のほうも含めて、もっと細かく見ていきたいなぁ。