前川國男・自邸

5月前半は、本当に気が滅入るほど(自分のせいでもあるけれど)だったが、ようやく一息つける日がやってきた。
研究室にずっといてもふさぎ込むだけなので、これからはもっと外に出て行かなきゃってことで、小金井公園へ。


前川國男邸は、公園を入ってアプローチを行くと玄関の反対側に出るのだが、そのときに家のなかを動き回ってる人の姿が目に入ってくる。
格子状の窓と、中心部に通る柱が印象的な建築。



前川國男・自邸 / 前川國男



入り口は南側で、玄関は大谷石の壁に囲まれている。



家のなかに入ると、天井高は4.5mもある大空間が迎え入れてくれる。



窓側は、先ほどの格子窓と引き戸で開放感のあるつくり。
中からも外を歩く人の姿や表情がわかる。
でも、ただ開放感があるだけではなくて、むしろ実に日本的なあいまいな領域みたいなのがつくられているように感じられる。


 
 
中からも外からも、見る見られるの関係ができていて、かつ格子窓が横のラインを印象づけているので、すごく不思議な感覚。
その場に佇んでいるだけでも気持ちいいのだけど、もう少し細かい部分をみていくと、
大谷石の玄関には穴が開いていて、来客が来たときに見えるようになっていたり、テーブルが斜めに切り取られていて動線が意識されていたり?随所にデザインされたものが配置され、空間がつくられている。


全体的に和風なんだけど、モダン。
回転扉とか窓際のラジエータに棚、とすごくコルビュジェっぽい感じもあって、面白かった。
東京文化会館とか京都会館とかを見に行ったときはすごく堅実だなぁっていうイメージがあったけど、これはこれでいい家だなって思った。


最近、今更ながら住宅が面白くて、もっと色々見て回りたい。