春の気配と備忘録

最近めっきりブログの更新頻度が落ちているが、書きたいことばかりが溜まってしまって、のんべんだらりなブログだけれどもう少し書かなきゃ、という気もちょっとする。
明日には修論の計画書を提出しなければいけないので、ここのところは修論のことをずっと考えていたのだけど、体験と思考はやっぱりもっと寄り添っていたほうがいいなぁと自分の中では思う。
去年の冬に福岡、年が明けて上野村、恵那、桑名、豊田・・・と立て続けに色々な場所を巡ってみて(レビューはまた後ほど!)改めて思うのは、やはり地図上でみる感覚とはまったく異なるダイナミックな景観体験が必ずどこにもあるということだ。それは、見た目の美しさや形の面白さに留まらず、そこに住む人々のリアルな日常が自分の肌身を通してまっすぐに突き刺さってくるということでもある。体験を通してしか感じられないこと、体験を通さなくても想像したり推し量ることができることの間には、実はとても大きな溝が深く深く開いているのだ。
K・リンチの「都市のイメージ」では、都市をどのような観方で捉えることができるかという点に関し、ノードやディストリクト、あるいはランドマークなどの要素に細かく分節していく視点を用いたことによって新たな捉え方を提示した。その点については素晴らしい発見であったと思うし、そんな簡単にできるものではない。
しかし、実際のまちを構成している人々はそんなことを考えもせずに過ごしているわけで、彼らの視点であったり世界を動かすダイナミックな部分・・・を扱えていないとも思うのである。地図はあくまで地図であり、計画に位置づけるためのツールにはなるが、現実として起こっていることとの対応関係がとれているかというと、疑問が残る。
そうしたときに、人間が暮らす現実としての空間、つまり都市をどのように捉えなおすことができるかが、現在の景観分野における大問題、なのだと思う。


本を読んで読んで読みまくる時期というのは実は結構重要な時期で、その人の思想や考え方を自分にとっても再解釈できる最適の機会でもあると思う。というわけで、これから読まなきゃ―と思う本がこれ。ささっといってしまおう。

都市空間の地理学

都市空間の地理学