風景づくり

何かをつくるってのは、とても難しいものだと思わされる。特に、公共空間のデザインなんか、全ての人に気に入ってもらう可能性はほとんどない、と思う。(少なくとも現時点では)
つくった人のアタマに描いていたイメージとか、こうなったらいいな、っていうのがすごくいいものだったとしても、それが実際の形にあらわれたとき、本当に受け入れられるのかどうかもわからないし、本当にその形が思い描いていたことなんだろうか…と疑問に思うことも多々。
特に今年の夏休みはそういったことを考えさせられる機会が本当に多かった。
1ヶ月遅れだけども、愛媛は今治波止浜というところで、風景づくりなるものをしようということで、二泊三日のワークショップに参加してきた。(直島行った次の日ね)


■風景づくり夏の学校in波止浜
全国から学生が集まってわいわいやってた。
今回は、自分だけの風景を見つけようと思って参加した。今まで、風景ってものに対してそこまで意識して接したことが無かったので、自分にとってのいい風景ってどんなんだろう?ってことや、その風景がなぜいいと思ったのかとか、そういうことを考えるきっかけになればという意味合い。


今回のテーマにおいて、重要な位置を占める場所、「八木亀三郎邸」。
この家、実は町屋などでよく知られている形と似ていて、間口はそこまで広くないんだけど、奥の方に広がっている不思議な家。昔は道路に面している側がお店として使われ、その奥にお客さんと応対する間、奥に住居スペースというような、合理的な形をとっている。




来島海峡大橋
この壮大なボリューム。行けばわかるが、やっぱり瀬戸内海の橋って、圧倒される。しまなみ海道の真ん中へんにある多々良大橋も見てみたかったけど、時間無くて行けず。帰りに高速バスで通ったはずなんだけど、記憶ナシで次回持ち越しかな。




このライン、まじかっけー。


最近、行く先々で狛犬を撮る。というわけで、波止浜でみつけた狛犬






今治だから、やっぱり造船ははずせない。間近で見れば圧巻の風景。この近くに来ると、カーンカーンっていう作業音が聞こえてくる。今でも造船の最前線を突っ走っているのって、本当にカッコイイ。


亀三郎邸内部。

灯籠たち。


波止浜でのごはん。やっぱり魚はウマイ。




夕暮れ時になると、海は本当に綺麗な景色を見せてくれることがある。




近くの龍神社というところで行われたお祭り。この夜は、先ほど見せた灯籠を道端に並べるといった演出も。本当に綺麗だった。みとれてしまって、写真はとれなかった(汗)
この後、グループは部屋に戻り、翌日の最終発表に向けてもう一頑張りをする、という流れ。我が班では、八木亀三郎邸という、歴史的にも立地的にも重要な位置を占めるこの場所をどのように活用するかについて考えた。
翌日、冒頭で書いたような悩みを抱えながら、また、グループで話し合い方向性をまとめることの難しさを感じながら、最終発表に臨んだ。発表を終え、話をまとめることや、自分たちの考えていることのどれくらいを出せたかどうかが課題として残った。
自分の力なさを痛感した。




ごはんを食べたお店でふと見つけたこの言葉。実は結構勇気づけられた気がするんだ。


今回の風景づくりワークショップは、本当に短い期間で終わってしまった。この波止浜という地に初めて降り立ち、自分自身が肌で感じたこと、それを素直に表現すること、それは、言葉にすると陳腐なものになりがちで、感じたことの数パーセントも伝えられないことなのかも知れない。
そんなことを思いながら、帰途につく。
今度来るときも、きっと思い出すだろう。だけど、今回感じた大切な気持ちを忘れずに過ごしたい。その時よりも上に立っていたい。