日本とはなにか

というわけで、前回に引き続き、日本について簡単に(笑)

「日本」とは何か 日本の歴史00 (講談社学術文庫)

「日本」とは何か 日本の歴史00 (講談社学術文庫)

無縁・公界・楽 増補 (平凡社ライブラリー)

無縁・公界・楽 増補 (平凡社ライブラリー)

日本建築史の先生に教えてもらった歴史への導入として、網野善彦氏の「日本とは何か」を読んでみている。あとは「無縁・公界・楽」とか。
この人は、現在の日本を覆っている島国根性だとか国民国家という(誤った?)認識を様々な角度から問い直そうとしている、と感じた。彼の日本観は一度紐解いてみると楽しいかも。


たとえば、最近よくある話が、日本海を中心に上下反転した地図を見ると、これまでの日本が周囲の国といかに物理的に近い位置にあるかに意識がいく。実は西は中国大陸から北は樺太、ロシアから果てはアメリカまで繋がっているようにも見える。地続きかつ水上交通としての利便性については、意外と以前から話題に上がっている。
というわけで、何が日本なのか?というのは大きな問題で、学校で歴史を習ったくらいじゃ日本なんて縄文時代から日本でしょ、みたいな認識があるけれども、実はそうではない、ということに気づくと、結構面白い。
日本国の成立は、学者によれば飛鳥清御原令(702年)からというのが定説らしいが、にしても、当時は日本といっても日本の土地だけが日本というわけではなく、今で言う東北や北海道は日本国制下にも置かれていなかったし、現在の認識は間違っている、というのが筆者の主張。
「関東」や「関西」という呼び方が生まれた背景とか、西の朝廷に東の幕府という東西に一つずつ中心があったという事実など、へぇーそんなことまで考えるのか、という観点がいくつも提示されていて、知識が明らかに足りない自分には難しいけど結構面白いと思う。


日本のルーツの話は最近ではどこでもされているし、さらに言うと家系図を遡ってみるなんてこともされている。とすれば、逆にこれからの日本のスタンスはどうなるんだろうか。領土問題、民族間の関係(特に外交を含めて)、昨今のテレビの問題・・・日本は終わってる、なんて自分には到底言えない。