先輩面をする会

大学に入って色々やってきた一人の先輩として、母校で後輩にその経験を話す機会があった。
卒業してからもずっと関わりのあった先生からの頼まれごとで、毎度引き込むのがうまいなぁと思いつつ、そんなところにコミュニケーション術を学びたくなる(笑)
集まったOBは理系・文系もバラバラ、千差万別で20人弱。生徒は、興味のある人を3人選んで一コマ30分の話を聴くというスタイル。
話して欲しいテーマは、大学・大学院の話、進学先・分野を選択した理由などなど。
正直、この手の話は受けようか迷ったのだが、それは自信を持って話せるかわからなかったから。
修論で苦しい時期とも重なって、なんだよこの程度、っていう声が頭の中に響いてきて、非常に頭が重かったことは記憶に新しい。


当日の朝、高校生の時ってこんなに朝早かったっけ?と思いながら、まだ小さな背格好をした中高生に混じりながら登校したとき、通学路をなぞりながら、不思議な気分にとらわれた。
当時の自分は、いったい何を考えてこの道を歩いていたのだろうか、そして、今の中高生は何を考えて歩いているのか。
もちろん当時の風景とは少しずつ変わっているけれど、かつて自分が歩いていた道をなぞると、こうも記憶が蘇るものなのか。


さて、実際の会では、準備がままならなかったのというのもあって、伝えたかったことの半分も伝わったかどうかわからない。
高校一年生も、聞いているのか聞いていないのかよくわからない感じで、目を見ると逸らされる感じがまた違和感を感じてしまう。
当時の自分の経験と比べるとどうしても過去の記憶のほうが綺麗に思えるのは当然だと思うが、こういう感覚はみなが感じていることなのだろうか。


高校一年生から8年が経ち、24歳となったいま、当時思い描いていた人になれているのかどうかは当時の自分に聞いてみるしかないが、
少なくとも歳を重ねることの面白さと怖さを感じ始めている時期と重なって、思い返せばいい機会だったかもしれない。
受験では自分の理想に届かなかったが、大学に入ってからが勝負だと言い聞かせてここまで頑張ってきた、ということを思い出すことができて、自信を無くしかけていた自分をもう一度信じてみてもいいかな、と思えたことは収穫だったかな。


何はともあれ、結構おもしろかった。